AOYAMA RECRUITING



“不可能を可能にする”1枚のカード。私たちの手で、働く女性を応援する。

INTRODUCTION

以前は「男性が着るもの」というイメージが強かったスーツ。女性の社会進出にともない、青山商事でもレディス商品のラインナップを増やしてきた。こうした動きの中で、さらに働く女性たちを応援すべく始動した、会員カード“ブルーローズカード”の新規導入企画。以前より使用されているAOYAMAカードを、女性向けにカスタマイズしたものだ。このプロジェクトの背景には、青山商事で働く女性たちの初めての挑戦があった。
担当を務める星川に、スタートのきっかけから現在に至るまでの全貌を聞いた。

Profile

星川直美
星川直美
大学卒業後、2007年に青山商事へ入社。店舗で6年半ほど接客業務をしたのち、企画コースへ異動。教育担当を経て営業企画部 レディス企画グループ長に就任。

Interview

レディスを、私たちの手で変えていく

教員免許を取得するも、「一度、一般企業での仕事を経験したい」と就職活動を進めた星川。「結婚や出産などによる休職の可能性を鑑みたとき、復帰しやすい環境がいいと考えたんです。そこで、努力や実力次第で若いうちからポジションに就ける青山商事に魅力を感じ、入社を決めました」と語ってくれた。
入社後に店舗スタッフとして経験を積む中で、知らないことへの挑戦願望が芽生えてきた星川。ポジションが空いたタイミングで教育担当として本部へ異動した。
そして2015年、星川にとって大きな挑戦がはじまる。中期経営計画“CHALLENGE 2017”が始動し、取り扱いが薄かったレディス商品への対策が本格化。星川はその担当に就くこととなったのだ。
メンズ商品には50年以上蓄積されてきたデータがあるが、レディスは全くない。いつどんな商品を用意すべきかわからず、情報収集で手一杯だった。そんな1年目を乗り越えられたのは、「多くの社員が手助けをしてくれたから」と星川は語る。店舗や本部で活躍する同僚のアドバイスにより、予想を超える多くのデータが集まった。「一人で見聞きする情報は非常に少ない。自分が正しいと思っても、他者からすると間違っていることもありますよね。いろいろな角度から情報を得ることで、その後に失敗があっても大きく踏み外さずに済みました」と振り返る。
その間、メンバー同士で言い合いになることもあったが、「なぜダメか」を本音で話し合うことができたという。トップダウンではなく、全員で最初から最後までの動きを決め、誰もが納得感を持って進行したかたちだ。「レディスに力を入れる前は、街で当社のスーツを着た女性を見かけることはほとんどありませんでした。でも4年経った今は、格段に増えたと感じます。たまたま私も同じスーツを着ていたときは、少し気恥ずかしいですけどね」と嬉しそうに笑う。

女性が財布に入れたくなるカードを

レディス戦略を進める中で交わされた、何気ない会話。それが新プロジェクトの入り口となる。「普段の買い物で嬉しかった体験談を共有したことがありました。そのとき、ふと『○○のポイントカードって可愛いよね』と他社カードの話が出たんです。特別なサービスがなくとも、デザインが可愛いというだけで女性はモチベーションが上がる。財布に入れたくなるということに気付きました」。近くに似た店舗があるときは、ポイントカードを持っている店を選んで入店される方は多い。
つまり、カードが財布の中にあるということは、十分な“行く理由”になるのだ。すでに使用されていたAOYAMAカードは、シンプルで男女どちらが持っても無難なもの。「女性が財布に残したくなるものだろうか?」と考察し、新たに女性向けのものをつくるという結論に達した。当時レディスの売り上げは、メンズの10分の1程度。対象市場が小さく非効率だと怖じ気づいたが、専務の「やってみては?」という後押しもあり、大きな会議の議題に挙がるようになった。
しかし星川は、「ずっと真っ暗な中を歩いているようでした」と当時を振り返る。店舗での接客や後輩教育の経験しかなかったため、クレジットカードをゼロからつくる手順が何もわからなかった。
さらに、洋服の青山専用のAOYAMAカードとは違い、THE SUIT COMPANYでも使える共通カードにするという試みも加わり、解決すべき課題は増える一方だった。無知ゆえに出鼻を挫かれた星川は、デザイン選定でも苦戦が続き、ボツ案は40〜50個に及んだ。ばらつく意見に「今のデザインのままでもいいのでは」という声も挙がったという。さらに、性別というデリケートな一面を取り扱うことへの懸念もあり、壁にぶつかる日々の連続だった。

不可能を可能にする

山積する課題を前に、「もうやめませんか?」と口に出したことも。星川は、“可愛い”というだけで本当にお客様が喜んで使ってくれるのかがわからなくなっていた。
それでも、「もとはお客様のためを想ってやりはじめたんだよね」と初心を思い出させてくれる上司や、「この案ならきっと大丈夫」と後押しをしてくれる仲間がいた。葛藤しながらも、これらの言葉を胸に、小さなゴールを決めてひとつひとつ歩みを進めた。「絵にもなっていなかった案を、カード担当や顧客情報システム管理者、販促のプロの方々が意見を出し合い、見えるかたちに仕上げてくださった。このカードは、みなさんの知恵を結集させた傑作なんです」と振り返る。
議題に挙がってから約2年。遂に女性向けカードとして“ブルーローズカード”がデビューした。デザインは、最終的に青ベースと白ベースの2種類からお客様自身が選択できる方式に決定。社内意見で1種類に絞ることができなかったこともあり、“選ぶ”という行為でも楽しんでもらえる仕掛けにした。カードの名前やデザインに“ローズ”が入っているのは、本社がある広島県福山市が“バラのまち”であることに由来する。
そして“ブルーローズ”は、もともと世に存在せず、近年ようやく製造可能になった花。その花言葉”不可能を可能にする“から、「働く女性のみなさんが、不可能を可能にして幸せを掴む、お守りのような存在として財布に入れてほしい」という想いを込めた。店舗導入前、お客様に提案する店舗の社員にもこの想いをしっかり伝えたことで、「すごくいいカードだね」と納得感を得ることに成功。入会数は予想よりも早く目標数に到達する見込みだという。

すべての働く人を、応援する存在へ

今回のプロジェクトを通じて、青山商事の魅力は人だと実感した星川。「この人は神だ!と思える人が本当にたくさんいるんです」。社員一人ひとりが、相手を気遣って声をかけ、それにまた恩返しをする。給与や役職のためより、まず人のために動く社員が圧倒的に多いという。
星川も、相手が何をしてほしいのか、そのために何をすべきかを読み取る努力は常に欠かさない。「言葉になった部分がすべてではなく、裏に潜在的な想いが隠れているんです。これからも、本当に相手が求めていることを読み取る力を成長させていきたいですね」と続けた。
ここまで走り抜けてきた星川には、さらなる2つの目標がある。1つ目は、ブルーローズカードだけで、服の購入以外にもさまざまなサービスを受けられるようにすること。働く女性が、あらゆるライフイベントをもっと心から楽しめる企画を打ち出していきたいと意気込む。
そして2つ目は、女性だけに限らず、働く人すべてを応援する存在になること。青山商事は今まで、働く男性に向けたサービスをメインに展開してきた。しかし、応援したい人は男性だけではない。「応援したい人は数多くいるけれど、まず取り組むべき相手は女性ではないか、という視点が、この計画のスタートでした。今後は、手を差し伸べる範囲をさらに広げていきたいです」。そう語る星川の挑戦は、これからも続く。

Correlation diagram