次世代を担う人材が活躍できるように、一丸となって人事戦略に取り組む。
INTRODUCTION
青山商事では“最大の経営資本は人である”という考え方のもと、従業員一人ひとりが能力を発揮しながらやりがいを持って働くことのできる環境づくりを進めている。2025年には“人事戦略本部”を復活させ経営戦略に即した人事戦略の実行、人的資本経営の更なる推進を図る方針を掲げている。人事戦略本部長兼人材開発部長の小嶋本部長に、人事戦略の構想や現在の取り組みなどを聞いた。
Profile

- 小嶋 英幸
- 1987年の入社以降、さまざまな店舗・事業部・グループ会社にてキャリアを積む。人材開発部長を経て、2025年4月に人事戦略本部長就任。現在は経営戦略の実現に向けた人的資本経営推進の中心的な役割を担う。
Interview

一気通貫した人事戦略で
組織も個人も強くする
人事戦略本部は、経営戦略と人事戦略を連動させ、組織の成功と従業員の成長が一体となる仕組みづくりを担っている。人事戦略本部としての取り組み課題は、“機動的な人材ポートフォリオの構築” “高度専門人材の積極的な登用” “個の能力の最大化” の3つ。「まず、経営目標を達成させるために必要な人材を明確化したうえで、事業戦略の変化に連動する人材のポートフォリオを構築します。次に、人材を“適所適材”に配置することに加え、高度専門人材が不足している分野を特定できれば、外部人材の積極的な登用を行います。また、個の能力を最大化するために、主体的に課題に向き合える“自律型人材”の育成や成長・挑戦をサポートする環境の提供を行います」。

従業員が自律し成長できる環境を
高度専門人材の登用に力を入れているのは、青山商事が営業力を中心に成長してきた会社である一方で、高度な専門知識を持った人材が不足しているという課題があります。「ファッション業界は変化が激しく、ECをはじめとするデジタル戦略の強化が急務ですが、販売員が接客することを前提とした営業オペレーションになっており、OMO推進が遅れた要因の一つになっていました。この問題の解決に向け、マーケティングを含めた関連部署を集約したOMOリテール本部を新設し、店舗とEC双方で同水準の顧客体験を提供できる環境をつくり、相互送客による客数増加やリピート率向上をはかります。また、必要な情報をリアルタイムに収集し、データドリブンかつスピーディーな意思決定が可能な環境を構築することで、市場動向や顧客ニーズへの迅速な対応を実現し、市場優位性の創出につなげること、さらに業務のDX化により付帯業務の削減など生産性の向上をはかるためDX戦略を推進する部署も新設し、課題解決に向けスピードを持って取り組んでいます」。
そのためにも、不足している専門人材は外部から登用し、専門領域への知見や経験豊富で多様な考えをもつ人材が活躍し社内融合することで、組織全体の活性化や風土改革につながるはずです」と小嶋本部長は期待する。
「個の能力を最大化する取り組みは2020年にスタートし、主体的に課題に向き合える“自律型人材の育成”を進めてきました。その中で、まず従業員一人ひとりの能力やスキルを把握する必要がありました。そこでタレントマネジメントシステムを導入し、まず全社員情報のカルテ化をはかり一元管理できる仕組みを構築しました」。
そのうえで、自主的な成長をサポートするための体制や制度も整えている。「資格取得報奨金制度や外部セミナー費用助成制度、通信教育助成制度など全従業員の成長や挑戦をサポートする環境の提供を行い、積極的な活用を促しています」。

誰もがやりがいを持って働けるように
これらの取り組みと合わせて「次世代リーダーの育成にも努めたい」と小嶋本部長は言う。「経営層や重要なポジションを担える人材を育成するために、サクセッションプランを実行しています。等級に応じた能力や適性を評価し、個々のコンピテンシーを明確にしたうえで、計画的に育成を実施しています。
また、次世代を担う人材が長期にわたって活躍できるよう、誰もがやりがいをもって働くことのできる環境づくりにも努めています。女性活躍推進にも力を入れ“えるぼし2つ星”の認定や両立支援の面においても優良な子育てサポート企業として“プラチナくるみん”の認定も受けています。
育児や介護などのライフイベントに対応するための短時間勤務制度や半日有給・時間単位での有給休暇、有給休暇積立制度などの制度も充実しています。そのほかにも、個別面談や評価面談などを通じて一人ひとりと積極的にコミュニケーションをはかり、相互理解を深めようとする風土も、働きやすい環境づくりに寄与していると考えています」。

いろんな経験を通じて
視野を広げてほしい
小嶋本部長は「一つの部署で専門性を高めることはもちろん大切ですが、一方で、多様なキャリアを積む中で視野を広げることも重要だと考えています。そのため、従業員にはさまざまな部署や関連会社での業務を経験してほしいという想いがあります」と話す。
小嶋本部長自身も、社内各部署やグループ会社など、実にさまざまな環境に身を置いてきた。ときには失敗を経験したものの、それが次への挑戦の糧になっていると続ける。「多様な経験によって、当時の自分の力を客観的に捉えるいい機会にもなりました。また、そんな私の挑戦や経験も含めて、人事戦略における重要なポジションを任せていただけたのも非常にやりがいを感じます」。
最後に、青山商事が求める人材像について話を聞いた。「行動評価と業務評価によって公平公正に評価されるのが青山商事の特徴です。また、自分の目標ややりたいことを発見でき、その実現に向かって成長できる環境もあります。『自分はどうしたいか、どうなりたいのか』を明確に持って、前向きに行動できる人と一緒に働くことができたら嬉しいですね」。